くろくろ便り 葉にんにく


鍋の季節にぴったりの鹿児島の伝統野菜「葉にんにく」


「葉にんにく」って知ってますか?
その名の通り、にんにくの葉で、中華料理では定番の食材ですが、日本ではあんまり一般的ではない野菜です。
沖縄、鹿児島、高知で食べられているようです。
奄美では「フル」と呼ばれ、油ぞーめんには欠かせない食材で、昔から栽培されています。
本土でも姶良や谷山では20年ほど前から栽培されるようになり、スーパーにも並ぶようになりました。
「かごしま伝統野菜」にも認定されています。
にんにくの香りがある葉は、薬味としてはもちろんですが、料理のアクセント、主役にもなる万能野菜。
餃子に使えばネギいらず、ニンニクいらず。びっくりするほど美味しい餃子ができます。
マーボー豆腐にもお勧めです。
肉のうまみを上手に引き出してくれるのも葉にんにくの魅力です。
天ぷらやかき揚げ、ベーコン炒めなどにもお勧め。
ビールのおつまみには生で。
千切りにしてちょっと水にさらしてパリッとさせ、かつお節とポン酢をたらせば、やめられなくなっちゃいます。
(生だと匂いがちょっと気になるので気を付けてね)

炒め物、煮物と何にでも使える葉にんにくですが、一番のお勧めは鍋。
斜めの細切りにした大量の葉にんにくを鍋に入れ、軽く火が通ったらしゃぶしゃぶ肉でくるりと巻いて食べる。最高です。黒豚だとパーフェクトです。

ビタミン、カルシウム、鉄分と、女性が好む栄養素がたっぷりの葉にんにく。
また、殺菌・抗菌作用のある「アリシン」も豊富に含まれているので、風邪予防にはぴったりです。
さらに、この「アリシン」は豚肉が持つビタミンB1の吸収を助ける働きがあるので、疲れを取りたい時は、豚肉と葉にんにくの組み合わせです。

鹿児島には夏のスタミナ野菜がたくさんありますが、葉にんにくは冬のスタミナ野菜です。(12月~4月)


※ 著:西ひろみ(鹿児島ホンモノの食研究家 / タレント)
※くろぶたねっと『もぎたて鹿児島丸かじり』第3回より抜粋


葉にんにく見た目は小ねぎやニラのように見える「葉にんにく」

葉にんにくとしゃぶしゃぶ葉にんにくを黒豚しゃぶしゃぶで巻いて