くろくろ便り 世界一大きな桜島だいこん


農家さんの地道な長年の経験によって培われてきた桜島大根


鹿児島のシンボル「桜島」そんな桜島には、世界一の大小があります。
大きな桜島大根と小さな桜島小みかんです。

現在、桜島には30軒ほどの桜島大根農家があります。
何度か桜島大根の畑を見たことがありますが、何度見てもショック!!です。
通りから奥に入り、さらに山の上のほうに畑があるので、車を走らせていてもなかなか見ることができないのが桜島大根です。
溶岩で灰色の桜島の麓に・・・何だか大きな毒蜘蛛のタランチュラ(?)が大群で押し寄せてくるような、そんな少し恐怖を感じるような景色です。
ひとつの畑で4千本くらいあるところもあるそうです。

8月の末に種まきをして、何度も何度も間引きをし、いい大根だけを残していくそうです。
小さな種が農家さんの手によって、大きな大きな大根へと成長していきます。
いい種を残すこと、間引きをすること、それが職人の技なのだそうですが、11月まではしっかり葉を育て、12月から大根を肥大させていくそうです。
私も7本→3本に間引きのお手伝いをしたことがありますが、3本→1本の間引きは誰にでもできることではないそうで、経験と勘が必要です。
また、肥料の種類や加減も難しく、長年の経験が必要なんだそうです。

桜島大根には男の子と女の子があります。
方言で「おでこん・めでこん」といいます。
オス→雄。メス→雌。でこん→大根。
グワッと大きく葉が上に高く広がっている「おでこん」と、地に這うように葉がしんなりしているのが「めでこん」。
おでこんの方が実が大きくなるんだそうです。
大きさで市場での値も変わってくるので、いかにスが入らずおおきくするかが、農家さんの腕にかかります。
農家さんってすごいよな~


※ 著:西ひろみ(鹿児島ホンモノの食研究家 / タレント)
※くろぶたねっと『もぎたて鹿児島丸かじり』第5回より抜粋


桜島大根桜島大根

桜島大根大きさに似合わず繊細な味です