鹿児島の竹2


鹿児島県の竹林面積は全国一!

種類も豊富で、1年中タケノコを食べることができるのも鹿児島ならでは。
でも食べるだけでなく、この豊富な竹資源を活用して、さまざまな竹製品を生産しています。
環境にやさしい自然素材の竹は、加工に適した柔軟性を持ち、耐久性にも優れていることから、日本人の生活に欠かせない素材として、昔から使われてきました。
みなさんの周りを見渡しても、竹で作られたもの、たくさんありませんか?我が家にもいろいろあります。
特に、台所には竹製品たくさんあります。
ざるとお盆は友人のお父様が趣味で作ったもの。(鹿児島では趣味で竹製品を作る方が多くいます。)
他にも箸やヘラ、泡立て器など、使えば使うほど味が出て、愛着も湧いてきます。
竹は、抗菌と鮮度を保つ素材として昔から活躍してきました。
「竹細工の職人に水虫はいない」と言われてきたそうですが、実際竹の中には水虫に対する抗菌物質が発見されたんだそうです。昔の人の知恵ってすごいですよね。

また、昔の旅人は竹筒に水を入れ、おむすびを竹の皮で包んでいました。その竹の皮も大切な素材です。
鹿児島では春になると竹の皮がスーパーに並びます。「あくまき」を作るためです。
一年中食べられる「あくまき」ですが、端午の節句には欠かせないお菓子です。
鹿児島で「ちまき」というと、これのことを言います。

木灰汁に漬けたもち米を竹の皮で包み、木灰汁で長時間煮込んだもので、きな粉砂糖をつけて食べるものです。
やはりこれも薩摩藩が戦には欠かせない保存食としていたようです。

竹笹と言えばパンダ。笹を食べるパンダの糞は全く匂わないそう。竹には消臭効果もあり、その特性を生かした消臭剤なども多く出回っています。
丈夫で長持ち。抗菌効果に消臭効果。竹の持つパワーはすごいです。
みなさんも鹿児島の竹製品を生活に取り入れてみませんか?

あくまき

「左」:スーパーに並んだ竹の皮
「中」:竹の皮に包まれたあくまき
「右」:あくまきにはきな粉砂糖をまぶして食べるのが一般的


※ 著:西ひろみ(鹿児島ホンモノの食研究家 / タレント)
※くろぶたねっと『もぎたて鹿児島丸かじり』第9回より抜粋