くろくろ便り  桜島を食べ歩き


鹿児島の夏の風物詩「そうめん流し」

鹿児島の夏の風物詩といえばやはり「そうめん流し」。
G.Wや夏休み、また休日には、多くの家族連れで賑わう場所の一つでもあります。
一般的に、「そうめん流し」は、竹を半分に割り、節を綺麗に取った後、流水とともにそうめんを流すというもの。
でも、鹿児島っ子はそんなそうめん流しを知りません。
鹿児島でそうめん流しと言ったらこれです。

そうめん流し
回転する流水の中にそうめんを泳がせるもので、冷たい湧水をモーターを使って勢いよく出すことで水が回転し、そうめんが流れるというものです。

最近では、おもちゃ屋さんなどで、家庭用そうめん流し器を見かけるようになりましたが、このテーブル型回転式そうめん流し器は、鹿児島の温泉郷、指宿が発祥の地です。
特許を取得した方が、町に権利を譲り、それから町おこしの一つとして「そうめん流し」が始まりました。
昭和初期には、鹿児島がそうめんの消費量日本一ということもあったそうですが、現在でも大きなそうめん消費地です。
そして「そうめん流し」があちこちに伝わり、今では、県内あちこちに渓谷・湧き水・そうめん流しとして定着しています。

そうめん流し

左:ホームセンターなどで売られている家庭用そうめん流し器
右:そうめん+マスの塩焼き・鯉のあらい・鯉こく・おにぎりのセット
どこのそうめん流しもこのセットが定番です。
お店によっては焼き鳥やから揚げ、がねなど、オリジナルメニューを販売しているところもあります。
夏の間に1度は食べに行きたい、鹿児島の味でもあります。
湧き出る豊富な水の音を聞きながらすするそうめんは格別です。


※ 著:西ひろみ(鹿児島ホンモノの食研究家 / タレント)
※くろぶたねっと『もぎたて鹿児島丸かじり』第18回より抜粋