鹿児島へいらっしゃ~い!鹿児島の地理・歴史をたずねる鹿児島フリーク「NPO法人まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会」が語る、こだわりの鹿児島コラムをお楽しみください。おもしろいところがたくさんありますよ。

連載第4回 篤姫探訪(1) ―今和泉島津家本邸跡と上町五社―

掲載日2008/09/10 ライター:深見聡(ふかみさとし)

1975年、鹿児島市生まれ。2001年、NPO法人かごしま探検の会を設立し、2008年9月まで代表理事を務める。

2008年10月より、長崎大学環境科学部准教授。かごしま環境未来館などの市民講座の講師、長崎県美しいまちづくり審議会委員などを務める。鹿児島シティFMで毎週木曜18時過ぎからの番組内コーナー「鹿児島時空探訪」レギュラーゲスト。NPO法人かごしまライブカメラネットワーク副理事長。学術博士(観光学・人文地理学)。

NHK大河ドラマ「篤姫」は、放送開始から好調な視聴率を維持している。幕末ものはあたらないというジンクスを見事に破っただけでなく、篤姫という一人の女性の生き方が現代の私たちに大きな共感を呼んでいる証といえる。

残りの放送回数も15回を切り、いよいよ佳境に入ろうとしている。そこで、篤姫の生まれ育ったまちに残るゆかりの地をたどっていくことにしよう。

▼往時をしのばせる今和泉島津家屋敷跡の石垣

往時をしのばせる今和泉島津家屋敷跡の石垣

今和泉島津家に生まれる

1835(天保6)年、島津御一門家のひとつである今和泉家に生まれた。父の忠剛は、第26代の島津本家当主・斉宣の七男で、幕末の名君とよばれ、後に篤姫の養父となる斉彬の叔父にあたる。

篤姫は幼少時の名は於一(おかつ)という。その時期に、鹿児島でどのような生活を送っていたかを記録した史料は残っていない。1853(嘉永6)年3月、斉彬の実子として幕府に届けられて以降、彼女は歴史の表舞台に登場してくる。同年6月、今和泉家から鶴丸城に入るまで、篤姫にゆかりのある場所は、いまの鹿児島市上町(かんまち)地区に多い。

鹿児島城下のようすを描いた『天保城下絵図』をみると、いまの鹿児島市立大竜小学校のあたりに今和泉島津家本邸のあったことがわかる。ちょうど観光路線バス「かごしまシティビュー」を南洲公園入口バス停で降りると、溶結凝灰岩を切り出して造られた石垣がある。屋敷そのものは現存していないが、当時のままの姿をとどめている。また、別邸として現在の石橋記念公園と磯浜海水浴場の付近にも屋敷を持っていた。ドラマの第36話「薩摩か徳川か」で、篤姫が薩摩から持参した品を火にかけるシーンがあった。途中で家茂が止めに入り難を逃れたという設定になっていたのが、磯の別邸が描かれた桜島の掛け軸である。終生、篤姫はこれを大切にしていたというから、まさしく桜島とそれを眺むことできる上町一帯は、彼女の原風景といえるのではないだろうか。

▼商売繁盛・無病息災で信仰を集める祇園(八坂)神社

商売繁盛・無病息災で信仰を集める祇園(八坂)神社

島津家ゆかりの「五社参り」

江戸時代には、上町にある五社参りがさかんであったことが『三国名勝図会』などの地誌書に記されている。五社とは、諏訪(南方)・祇園(八坂)・稲荷・春日・若宮の各神社をさす。そのなかでも、諏訪神社は、島津家の氏神として歴代当主の信仰も厚かったという。また、祇園神社は毎年7月下旬に盛大に例祭である祇園祭(おぎおんさぁ)が催されている。上町地区で生まれ育った於一も、母や兄弟らとともに、五社参りに出かけていたかもしれない。

次回は、篤姫の好んだ食べ物についてご紹介します。

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